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中国ビジネスコラム

【FRONTLINE COLUMN】 技術のブラックボックスを破ろう

    JMAC中国 コンサルタント  黄 思慧 (HUANG SIHUI)

 

     ある中国民営のアパレル企業でリーン改善活動を支援した際の出来事である。ここで、最初に実施したことは、色付け工程での標準作業仕様書(SOP)の導入であった。この工程の作業内容としては、先ず、数種の染色薬を決められた比率で秤量し、それらを混合して化学反応を通じて着色剤を作る。この着色剤を生地の表面に塗布し、染色するという特殊工程である。この工程は、製品の着色のバラツキが大きく、作業内容は簡単であるが、重要なことは染色薬の種類と比率であり、製品によって、薬品の種類と比率は異なっている。これまでは、染色薬の配合比などを文章にした明確な標準はなく、技術者の経験と勘で決められていた。技術部の専門家に支援を依頼したが、「これは会社の機密であり、必要なときに技術者は作業員に生産条件を知らせても良いだろう」との回答であった。実は、この工程では継続的に大量の不良品が発生していたが、後工程での修正が可能なため根本的な改善策がとられていなかった。

 

 確かに、企業内には、外部流出を避けなければならない機密事項はある。ただし、これを理由に社内での標準化を拒否することはおかしなことである。本当の理由は、機密漏洩ではなく、自分の技術を他人に伝授したくないことにある。

 

 中国では、こういう技術のブラックボックスは珍しくない。特に伝統的な手作業を中心とした生産工程では良く見られる。これを破らない限り、現場での正しいものづくりは進められないであろう。現場管理における標準化の重要性について、これからもコンサルティングを通じて、説いていきたいと思う。

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